サピエンツァ・ローマ大学院 建築学部建築(修復)課程の授業【修士2年前期】

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修復

前回に引き続きサピエンツァ大学院建築(修復)課程2年前期の授業について紹介します。

2年前期からは完全に授業をイタリア語で受けるようになりました。

その理由を知りたい人はこちら↓

授業ラインアップ

・フィナンシャル経済・不動産 (Esercizio Professionale)
・都市形態学 (Morfologia Urbana)
・建築法規 (Legislazione Urbanistica e dei Beni Culturale)
・都市再開発 (Recupero e Riqualificazione Urbanistica)
・修復設計 -通年-(Restauro dei Monumenti)

内容・授業方法・参考文献など

フィナンシャル経済・不動産 (Esercizio Professionale)

授業形式
・講義9回
・演習3回

講義内容
・マクロ経済
・不動産の評価方法
・フィナンシャル経済

勉強の為にネットで日本語で調べた感じからすると宅建に近い内容な気がします。

都市形態学 (Morfologia Urbana)

授業形式
・講義
・グループワーク

講義内容
・タイポロジー
・ローマテルミニの歴史
・建築家の都市計画(ル・コルビジェ、アルド・ロッシ、

グループワーク
ローマテルミニ駅前のチンクエチェント広場・その周辺地域の分析

2年後期にある設計授業を見据えて授業が構成されているため、この授業内容はモルフォロジーの授業とはいうよりも都市計画と考えた方がよい。

この授業のみ英語コースの方がクオリティは高いと僕は思います。

Giuseppe Strappaという教授が授業をしています。

どのように街が発生し発展していく過程など都市構造の形成を学びたい学生は英語コースに行くべきです。

気になる人は英語コースの教授のWeb↓があるので見てみてください!
http://www.giuseppestrappa.it/

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建築法規 (Legislazione Urbanistica e dei Beni Culturale)

授業形式
・講義

授業内容
説明のために日本の場合で考えると、建築士試験の授業のための授業ではなく建築法規の仕組み・概念を説明する授業。

イタリアで仕事する気がなければあまり必要のない気がしますが、どうやって街を保存しているかを理解するには良い授業だと思います。

イタリアの歴史地区で新しい建物を建てることが難しいのが良く分かります。

都市再開発 (Recupero e Riqualificazione Urbanistica)

業形式
・講義(都市再開発の手順・事例の紹介)
・グループワーク

グループで都市再開発の企画を考えます。

1ステップ 分析
2ステップ
3ステップ 事例
4ステップ マスタープラン
5ステップ 

修復設計 -通年-(Restauro dei Monumenti)

授業形式
・講義(『修復の理論』について)
・グループワーク

講義内容
チェゼラブランディの著書『修復の理論』を第1章から順に教授が解説していきます。

この本は現在のイタリアにおける修復という学問をを体系化したもので、建築だけでなく絵画や彫刻などイタリアで修復を学ぶ上でとても大切です。

修士1年前期の修復の理論と実践(イタリア語コース)のテキストになっているそうです。

グループワーク(個人でも可能)
モニュメントを選んで、修復計画をします。
・実測
・歴史調査
・劣化状況の分析
・計画

参考文献
チェゼラブランディ、『修復の理論』

イタリア語と日本語の両方を読んでもとても分かりにくい文章です。

Twitterでこの本、というか修復という理論、は哲学から発生したものなのでとても難解な本だとコメントをもらったことがあります。

しかし1993年に出版されたこの本は現在でも修復理論の根幹になっています。

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