【建築学科】-ローマ大学- オンライン授業・エスキスについて

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今回はローマ大学サピエンツァの建築学部修士課程におけるオンライン授業でのエスキル(講評・レビュー)の方法について紹介します!

日本でもコロナウイルスの影響が広がりつつあり、大学の授業がオンラインで行われるようになるでしょう。

教授が一方通行で生徒に教える授業形式では問題ありませんが、建築学科の様に設計製図の授業では教授や講師と意見交換をする必要があるのでなかなか厳しいです。

ローマ大学建築学部では3月の中旬からオンライン授業が始まり、設計課題においてもエスキスを行っています。

この記事が、教授や講師が授業・エスキスを行う上で参考になれば良いと思います。

オンライン授業の媒体・方法

同大学ではGoogle Meetを利用してオンライン授業を行っています。

パソコンでもスマートフォンでもログインすることができます。

基本的に、教授のマイクだけが入っていて生徒はマイクを切ります。
生徒のマイクがオンだとマイクが声やテキストやノートの雑音まで感知してしまい、教授の音声が途切れます。

そして、教授が自分のパソコンの画面を生徒と共有し、PDFやパワーポイントで説明します。

今日教授によってはiPadなどのタブレットをパソコンにつなげて黒板の代わりに使っています

耐震建設の授業

寮に住んでいる他学部の友達の話によると
オンラインを取っている家又は研究室にホワイトボードを直接カメラで映している教授もいます

またライブではなく、教授が授業時間前にすべて動画を取りストリーミングで授業を行う形式もあります
しかし、生徒の反応が全く分からないので授業のスピードが速すぎてしまい、理解しにくいそうです。

多くの教授は教室での授業と同様に、ある程度進むと質問はないか生徒に投げかけ、理解しているかどうか確認します。

逆に生徒に意見を求めて会話をする教授もいます。
この場合は生徒数が極端に少ない場合です。

例えば、僕の受けている選択の授業では生徒が6人しかいないので比較的簡単に会話ができます。

授業形式まとめ

パワーポイントPDFで教授が説明(時々生徒へ投げかけ)
タブレットを黒板代わりに使用する
ホワイトボードを直接カメラで映す
・完全にストリーミング(東進ハイスクールのような映像授業)
・生徒と教授が議論(少人数の授業)

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エスキスの方式

現在僕が履修している授業では2通りのエスキスの方法があります。

1. 事前に生徒がプレゼンボードをアップロード、教授が書き込みを入れて授業で見せながらコメント

授業形態

授業内容:設計製図
授業期間:半期
講師陣:教授1人・アシスタント4人
生徒数:30人前後
授業回数:週2回
エスキス頻度:2週間に1回・火曜日(その他の授業はレクチャー)
エスキス時間:8:30 ~ 14:00 (途中休憩あり)
スタジオ:アシスタントに均等に生徒振り分け。1スタジオ7-8人
設計形態:個人設計

エスキスの流れ(火曜日にエスキス)

1.エスキス前の金曜日の23時までに大学のネットプラットフォームにプレゼンボードをアップロード

2.火曜日の授業までに教授は全員の案を添削、アシスタントはスタジオの生徒だけを添削

3.スタジオごとに時間を振り分け。前後半の2部制で間に10分休憩
Gruppo A_tutor G ore 8,30-9,50 
Gruppo B_tutor A  ore 9,50-11,10 
PAUSA 10 minuti
Gruppo C_tutor S  ore 11,20-12,30 
Gruppo D_tutor L  ore 12,30-13,40 

4.最初にアシスタントが自分のパソコンの画面を共有しコメント。スタジオ全員へのコメントが終わり次第、教授がパワーポイントを共有しコメント。
時間のコントロールが難しくなるので生徒の介入なしでスタジオ全員の案を通しで講評

5.コメント後、生徒が教授・アシスタントへ伝えてりないことを説明したり課題を進めるために不明な点を聞く。

・教授は自分のグループだけでなく、他のグループのエスキスを聞くよう指示

良い点

・生徒の説明がない分、時間の省略ができる
・教授たちがパワーポイントに書き込みをしながら説明できる(下の写真)
・生徒のネット接続状況がエスキスに影響を及ばない
 →ネット環境が悪いとスライドが進まなかったり画質が悪くなる現象が起きます。
  万が一教授陣のネット環境が悪くても生徒は自分の提案なので最低限理解できますが、一方生徒のネット環境が悪いと教授陣が提案を理解しにくいのでエスキスが進まなくなることが予想されます。

悪い点

・プレゼンボードで自分の提案を伝える必要があるため、アウトプットに時間が取れれてしまい、スタディの作業時間が減る
・教授や講師のエスキスへの準備が増える

2. 直接生徒が自分のパソコンでプレゼンボードを共有・説明、その後教授がコメント

授業形態

授業内容:修復設計
授業期間:通年
講師陣:教授1人(教室でのエスキスでは他の教授も)
生徒数:25人前後
授業回数:週1回
エスキス頻度:毎授業後
(毎回全員がエスキスしない。見せるものがあるグループのみ、オンライン授業になってからは基本1日に3-4グループ)
エスキス時間:11:00 ~ 14:00(レクチャーが終わり次第)
スタジオ:なし
設計形態:グループ設計

エスキスの流れ

1.授業前日までに教授にエスキスの予約メールを送る(オンライン授業でない時から)

2.授業が終わり休憩を挟み、エスキス開始

3.生徒が自分のパソコンでPDFを開き、共有し説明。

4.教授がコメント

良い点

・生徒が口頭で説明できる
作業時間が確保される

悪い点

・単純に時間がかかる
ネットの接続状況・生徒のパソコン操作が進行に影響する
・教授が図を指して説明することができない

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問題点

人数

僕のコースは比較的人数が少ないために問題なく動いている。

一般的に修士や専攻を選んだ後では設計製図の人数は少ないが、学部1,2年の設計製図は人数が多くなる(特に私立大学)。100人近い時にどのように運営するがポイントになる。

パソコンの技術

外出自粛になると模型材料も買いに行くことが困難になるでしょう。
学部3年以上の生徒は3Dのソフトを使いこなせるのでボリュームなどのスタディができるが、1,2年生は難しい。

また、プレゼンボードを用意しないといけないのでイラストレーターフォトショップの習得度によってエスキスの効率が変わる可能性あります。

グループワーク

グループワークの場合、生徒間の意見交換が必須になるので難しい。実際、グループワークの修復設計の進みは悪いです。

事例収集

大学の図書館や研究室に行けなくなると、建築雑誌などのが読めなくなる。

エスキスのポイント

現在オンライン授業受けている生徒目線からエスキスのポイント

・事前提出の方が効率が良い

生徒によってネット環境がことなるので不安定。ネットの接続不良による無駄な時間は生徒にも講師陣にもストレスになる。

また、画面の共有が上手くできない人がいたりすると時間を取られるので、講師陣がすべて行うことによって効率化できる

・隔週エスキス

僕の学部時代を考えると設計製図は前半レクチャー、後半エスキスが多い。
事前提出になるとスタディの時間が減ってしまう。そのため十分な時間を取るために隔週のエスキスにし、レクチャーの週エスキスの週に分けてしまう

・提案を説明する図などを明確に指定

隔週エスキスを提案したが、設計の方法がまだ身についていない低学年は自力で提案を進めるのは難しいので少しの分量を毎週課す方が良いかもしれない。

・スタジオでチャットのグループを分ける

はっきり言って4時間近くエスキスを聞いているのはキツい
他の人のエスキスを聞くのも大事なので、多すぎず少なすぎず。

・3Dのスクリーンショットを推奨

模型を使って説明できない分、3Dが使えることはとてもメリットになる。しかし、レンダリングすると時間がかかるので、スクリーンショットで簡単に空間性を説明する。

・ダイアグラムは手書きで、写真とってプレゼンボードへ

毎回イラストレーターやフォトショップで説明のダイアグラムを作ると時間がかかるのでスケッチブックや紙に手書きで作成し写真を撮ってプレボに張り、文字はパソコンで打つ方が効率的です。

最後にイタリアと日本の設計の違い

あくまでも僕の主観的な考えです

日本の設計製図ではその敷地の周辺環境や土地性や歴史などを考慮してどういうプログラムにするのかといった物語コンセプトが重視され、そこから空間設計へ入っていくイメージ。
(こんな風に思っていたから設計・空間を作るのが苦手だったのかと今思う)

自分の考えを言葉やダイアグラムで説明することが必要

一方、イタリアでの設計製図はその敷地の空間性(都市構造・都市の文脈。建築・街の形)が重視され、最低限の機能は必要だがプログラムなどはそこまで重視されない。

屋根伏せ図だけで「どのようにこの敷地のを読んだ」か「どんな空間を造りたいのか」が分かる

そのため、あまり言葉による説明が必要ないので事前提出でのエスキスがしやすいのかもしれません。

ここまでイタリアでのオンライン授業とエスキスについて書きましたが、少しでも教授・講師の方又建築学生の為になればうれしいです!

質問などありましたら、ツイッターからDM下されば答えさせていただきます!

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