【大学院留学】英語からイタリア語のコースへ変更した理由

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留学

今回は僕が大学院修士課程の英語コースをイタリア語のコースに変更した理由について書きます。

ヨーロッパではイギリスだけでなく多くの国でその国の母国語でなく、英語で修士課程をおさめることができる大学があります。

イタリアもその一つでローマ大学のサピエンスツァには英語で学ぶことができるコースがたくさんあります。
また、ミラノ工科大学はほとんどの修士課程を英語で学べます。

非英語圏で英語留学をしようと考えている人で実際英語コースってどうなの?と疑問に思っている人もいると思います。

そんな人に一つの例になればいいかと思います。

英語コースに入学した経緯

僕はローマ大学サピエンツァの建築学部建築・修復修士課程を英語コースで入学しました。

本当は最初からイタリア語で入学したかったのですが、以下の経緯で英語コースに至りました。

イタリアの大学院には大学に入学をした頃から考えていて、イタリア語は学部2年の時から勉強を始めました。

なぜ1年からでないのかと言うと、学部1年は第2外国語にイタリア語がなく(フランス語、ドイツ語、中国語)仕方なくイタリア語に近いフランス語を選択

学部2年の4月~6月と9月~12月にイタリア文化会館で語学コースに3時間週一回通い勉強

また、2年の夏にローマ2週間、3年の夏にサレルノ(ナポリの近くの町)に4週間語学留学をし、3年の冬と4年の春の2回でCILS-B1レベルまでを到達

しかし、3年の夏休み後にミラノ工科大学大学院の志望していたコースが英語だけであることを知り、そこから4年の春過ぎまではミラノ工科大学を志望校にしていたため、主な語学学習は英語でした。

ミラノ工科大学以外を考え始めた時にはすでに手遅れ、、、CILSの試験は年に2回だけなので、残りは4年の冬しかなく、卒論で十分な勉強ができないのに加え、テストは卒業制作でそんな余裕は全くないという絶望、、、

この状況で大学院に入学する最低限のB2を一発で合格するのは難しいだろうと考え英語コースで第一志望ローマ大学、第二志望をミラノ工科大学にしました。

イタリア語コースにした理由

理由を挙げていく前に建築学部の状況を説明します

ローマ大学サピエンツァ建築学部の建築・修復修士課程はイタリア語コースと英語コースがあります。

また、英語コースしかない修士課程もあります 。

イタリア建築はイタリア語でしか学べないと感じた

修士1年次に感じたことがイタリアで建築、特に修復という分野を学ぶにはイタリア語が必要だということ。

この分野における多くの修復家はイタリア人で、ほとんどの文献はイタリア語で英語に翻訳されている本は本当に有名なものだけ。
英語に対応する単語がないイタリア語もある。

まず建築における修復という学問が生まれたのがイタリアであるという事実。

多くの国に建築史の分野はあるが建築の一部の学問としての位置づけであり、ここまで修復学が一つの学問として存在しているのはイタリアだけでだと思う。

オランダ・フランス・ドイツ・スペインとヨーロッパを旅行からもイタリアが一番歴史的建造物が残っていると実感しました。

ということから建築修復はイタリアの文化であるため、イタリア語で学ぶべきと感じました。

イタリアで働くため

北欧やオランダ・ドイツなどの英語教育が充実していて多くの国民が英語を話せる国では英語が話せれば仕事を貰うことができるかもしれませんが、イタリアで働くためにはイタリア語は必須です。

日本と同じだと考えると分かりやすいです。日本では働くのには日本語が絶対必要。

建築は実務があっての学問と考えていて、イタリアで修復を大学院で2年間勉強しただけでは何も身につかない。実務経験を積むことによってより深いところまで知ることができると思っています。

イタリア語のコースの方が求められるレベルが高い

授業の内容

測量

英語コース: 建築学部のキャンパスを15近くのグルーブで分けて測量
イタリア語コース:各グループが建物を一つ選び測量

構造補強設備の2つの授業。

英語コースは授業のスライドや本を読んで筆記のテストだけ。
イタリア語コースは授業がある上でグループに分かれてプロジェクトを行う。

といったように生徒に求めるレベルの違いがはっきり分かります。

言語の壁

もちろん教授陣はイタリア人。英語のレベルもそれぞれ。

僕が言いたいのは英語が下手上手いではなく、少なからず英語を話すことによって教授の説明が制限されてしまうということ。

それによって英語コースの学生に求めるレベルが低くなってしまっている

基本的に外国語はリスニングの方がスピーキングよりもできるので、英語で少ない情報量よりイタリア語で分からない単語があっても情報量の多い方が勉強になると考えました。

英語コースだから、、、

僕の主観的な感覚だが、たまに「英語コースだからこれくらいでいいだろう」という雰囲気を感じます。

実際のところ、英語コースは留学生のみでイタリア人は0人

おそらくイタリアに残って博士課程に進んで勉強したり、働く人はほんの一握りでしょう。

多くの人の話を聞くところ、やはり前提としてイタリアで働くためにはほとんどの場合イタリア語が必要です。

英語とイタリア語の両立が難しい

最初は「英語で勉強しながらイタリア語のレベルを上げていけばいい」と思っていました。

実際のところ、英語もそこまでできるわけではなかったので英語とイタリア語の両立場できず、英語で授業を受けるだけでいっぱいいっぱい。

寮ではほとんどイタリア語なのだが、言語の切り替えが難しい

おそらく複数の言語を学んでいる人は実感していると思いますが、英語を勉強する使っているとイタリア語ができなくなる。逆にイタリア語を勉強すると英語のレベルが落ちます。

このままだと一向にイタリア語が上達しないと思いました

まとめ

今回書いたことはローマ大学建築学部建築・修復課程です。

他の英語コースしかない修士課程や英語とイタリア語両方課程でも大学や学部によって状況が異なると思います。
寮のロシア人とコロンビア人の友達が通う工学部のAI・ロボット はまた違う状況だと思います。

結局入学して授業を受けるまでは何も分かりません。

非英語圏で英語コースの留学を考えている人はこういった状況がある可能性があるということを知ってほしいと思います。

コメント

  1. Tent より:

    初めまして。
    私もイタリアの建築修復の修士課程に進学を考えているのですが、ローマ大学とミラノ工科大学以外は志望校として検討しなかったのですか?
    また、出願の際に相談できる機関等がありましたら教えて頂きたいです。

    • ダンボ より:

      Tentさん、コメントありがとうございます。
      返信遅くなり大変申し訳ありません。
      ローマ大学とミラノ工科大学に絞っていたのは、当時イタリア語がB1レベルしか取得しておらず、
      英語のコースしか出願できない状況だったので、この2つの大学でした。
      相談できる機関を私も探していたのですが、見つけられませんでした。
      こんな回答ですが、お役に立てれば嬉しいです。
      また質問ありましたら、何でも聞いて下さい。
      X(旧Twitter)のDMですと、早く返信できるでよろしければそちらでも連絡頂けると嬉しいです。

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